Directed by Wayne Wang, Written by Paul Auster
Starring by Harvey Keitel, William Hurt, Giancarlo Esposito, Harold Perrineu Jr., Forest Whitaker…
BlackCultureを描くmovieではないですが、少しその側面も見れる、NYくさい映画。しかもその片隅にあるタバコ屋さんが舞台ってのも、また、NYっぽい。タバコ屋を取り巻き、行き交う人々の些細な出来事が舞台で、見ていると自分もそこの住人になったかのように感じる映画です。出演してる主要人物は少ないけども、民族の多様性まで感じちゃう。
「日常」がベースだけれど、起こることは冷静に考えると「ありそうでないもの」だったりもする。”Smoke”といえば、たいてい「煙」やら「たばこ」が連想されるけれど、それだけしか思いつかなかったら、この映画の面白みの半分は感じられないだろう。
ただのタバコ屋の話ではない。「煙」・・・儚く、もやもやしたもの。英英辞典ではSmokeというのは”Something used to conceal or obscure.”ともある・・・映画を見てて、それにピンとくる人もいるだろう。
映画はいくつかのepisodeに分かれていて、その中にそれぞれ主人公を置いて描かれる。最後のepisodeではHarveyが演じるAuggieのものやねんけど、これまた、ステキでSmokeyなエピソードで。
誰にも自分の中に、他人には知れない部分ってある。知ってるけども、それを知らないフリして、お互いやりすごすこともある。本当のところを知るよりも、かえってそれはhappyであったり、「暗黙の了解」だったりすることもあったり。
人間、一人一人、経験も違えば環境も違うし、感情もちがう。完璧に分かり合えることなどないけど、まぁいいじゃないか、ヒトはヒトだし、あれがあいつだから。なんて、タバコの煙に巻かれるように、日常が過ぎていくのも、いいじゃないですか・・・そんな風にこの映画は言ってるように感じる。”Smoke”の色んな意味を込めて。
よくSpike Leeの映画にでてるGiancarlo Esposito、「Ghost Dog」のForest Whitaker、「Matrix」にでてたHarold Perrineu Jr.などが出てます。
続編といえる「Blue in the Face(1995)」のほうがlightに楽しめるかな? 私にはどちらも、もう何度も見たお気に入りの映画です。